道中漂流記

将来の夢はそぞろ神

ピアノ演奏家のジャム氏について


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ジャム氏のアイコン

0.紹介

 ニコニコ動画でピアノ動画を投稿している者は数多いが、その中でもジャム氏は才人として際立っている。ジャム氏は東方音楽の演奏を主としているが、他にも伊福部昭の楽曲やペトリューシカ、ピアノソナタ第21番を弾いたりしており、どの曲も質が高い。ちなみに個人的には"優雅に咲かせ墨染の桜"が傑出しているように思う。

 

1.ジャム氏の演奏スタイル

 ジャム氏の演奏スタイルは極めて捉えやすい。他の演奏者がアレンジ調で東方などの曲を弾いている中、ジャム氏は意匠を凝らさず只管に原曲をコピーするように弾く。私は音楽に明るく無く、音符記号も皆目分からないが、どこぞのアレンジよりもその実直な演奏に惹かれたのだ。

 東方音楽は人力のピアノで弾かれることを想定していないらしく、それを原曲通りに弾くというのはほぼ不可能に近いらしい。東方ピアノ演奏にアレンジが多いのは、アレンジを加えることで不可能を避ける意味合いがあったようだ。しかし、ジャム氏の演奏はそれを避けずに猪の如く突進する。故に、ミスも多く散見される。(私はミスを拾えないので、その音楽知識の闕如が安易な評価に繋がっているのかも知れない)

 が、原曲に忠実であるスタイルの毅然たる様に比べれば、ミスの有無なぞは造作の無いことのように思われる。また、他との相違を挙げれば、彼の弾く旋律の背後には絶え間なく"デロデロ"が発生しているという点である。"デロデロ"は特有の音であり、リズム維持の役割を果たしているのだろうが、 私の中では分節化されていない音であり、一曲全体を通して非常に妖しい雰囲気を漂わせている。奥ゆかしいと言うべきか。それは、実直な、或いは愚直な演奏で無ければ出せないようである。

 

2.演奏を通して薄ら見える人間性

  ジャム氏の演奏からは一通りの人物像が浮かび上がる。つまり、実直または愚直でトリックを好まない性格であるが、決めつけるにはまだ早い。ジャム氏は原曲に忠実である傍ら、作曲活動も行っている。作曲活動とは無から有を生み出す事であり、いわばアレンジの極地である。その事実から、彼は実直、愚直な性格であるとは判別できない。単に、原曲に手を付けたくないだけかも知れない。

 しかし、実直、愚直というのも強ち間違ってはいないような気もする。あの、原曲忠実に演奏しきろうという執念の深さを見るに。

そういった面では、敬虔で不器用な性格であるだろう。手先はこれ以上に無いほど器用であるが。

 また、投稿頻度と投稿コメント、その内容を見ると、また別の一面が浮かび上がる。ジャム氏は東方音楽を主に投稿していたが、2012年半ばから其の気が薄らぎ、更に年を経る毎に投稿頻度自体も減少している。(最近に至っては急減とも言える。)

 ニコニコ動画で活動をし始めた当初は、東方音楽に身を埋めていた彼だが、視聴者の比較コメントや押し付けがましいリクエストといった傲慢不遜さに辟易し、離れていったのだろうと私は踏んでいる。それは勝手な思い込みで、単に活動拠点を変えたのかもしれないし、現実の環境が変化して投稿頻度を落とさざるを得なかっただけの可能性もある。何れにせよ根拠のない話である。

 ところで、ジャム氏の投稿コメントはというと、彼の実直な演奏スタイルとは乖離していて非常に愉快で無邪気な内容が多い。さながら子供のようである。そのギャップも妖しい雰囲気を醸し出す要因となっているだろう。これは、私に言わせてみれば、翁神が童の姿を借りて現れるといった、しばしば御伽噺に出てくる構図と似ている。他にも例があって、その道の達人が態と身分の低い者のなりをするのも同様である。(これを古語では"やつす"という。)

  つまり、ジャム氏は呑気な一面を持っており、利潤追求を好まない性格である。また自分の空間を作り出す事に長けており、押し付けられる事を兎角嫌うきらいもあると見える。なんだか、ぼのぼのみたいな人物像が浮かび上がってきた。決して馬鹿にしているのではない。才人によくあるパターンであり、コンテンツの始祖となる人間に多い。言わずもがな、ジャム氏は明らかに才人である。

 

3.結論

 
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はい。

 

4.後記

 嘗て一人だけジャム論を述べていた先駆者が居られたので、私も述べてみようという気になった。しかし、音楽知識の欠片も無かったので、ジャムという一ピアノ投稿者の人間像を浮かび上がらせてみようと思い、 記事にしてみた次第である。音楽知識を有すれば、評価も批評に変わるかも知れないが、やはり現時点での段階で才人をしっかりと評価するのは一種の使命であるように思われる。

 

先駆者の記事(無許可)

http://www.geocities.jp/milchschtrasse/nikoniko06.htm